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下水道維持管理業の話

※とりとめのない私見を書いてますので、面白くないなと感じた方は
 他のページをおすすめします。

埼玉県八潮市で1月29日に発生した道路陥没事故で、このブログを書いている今日現在も救助活動が行われています。

この事故が発生したことにより地下構造物の維持管理について、特に下水道維持管理という部分に注目が集まり、全国で緊急点検調査が行われている様子がテレビニュースでも報道されているのを皆さん御覧になられているかもしれません。

【HACHIYA私見】

このブログサイト管理人、HACHIYAも道路上に埋設されている公共下水道事業の維持管理業界で働く人間として、地下構造物の腐食・破損もしくは浸入水による土砂引き込みの道路陥没は身近な話ではありますが、そのほとんどは埋設深さの浅い場所(住宅の排水管から下水道本管への接続部分)が発生箇所であり、ここまで深い埋設施設の影響で地上部までが空洞になるような道路陥没は全く想像できませんでした。

なぜなら地中の土砂が下水道管内へ流れ込むと言うことは、下水道管内に土砂が堆積していくことになり、事故発生時の穴の大きさ直径10mに流域下水道までの深さ15mの体積を計算すると約1,100㎥の土砂が管内に入ってきたことになります。

これだけの土砂が管内へ流れ込めば道路陥没は当然ですが、先に下水道管内が流入土砂で閉塞して流下不能状態が先になってもおかしくありません。2022年に管内調査して腐食状態は報告しており、対応策を検討していたようですが。下水道管内で人が安全に作業する条件として『水位400mm以下で流速0.7m/s以下』という基準があり、八潮市の流域下水道は水位が常時2,000mm近くあったという噂を聞いています。このままでは人が入ると汚水に流されてしまう状況でφ4750mm管渠の補修方法なんて簡単には見つかるはずもなかったでしょう。

【下水道の仕組み】

公共下水道は家庭や工場から排水されφ150〜300mmの下水道本管を基本自然流下方式(勾配が取れない場合はポンプで送り出す圧送方式もある)で流され、排水量が増えるごとに管径が大きくなっていき最後に下水道処理場へ辿り着き、そこで微生物や薬品で水処理を行い水質改善し河川に流される仕組みになります。

※わかりやすい資料があれば追加します。

【下水道維持管理業の仕事】

私も下水道管路調査で流域下水道に入ることがありますが、管径は大きくてもφ3,000mmぐらいまでで今回φ4,750mmもの大きさは聞いたことがなかったので、自分の見識以上に腐食が進む環境かもしれません。

【下水道維持管理業の印象】

普段見ることができず意識することのできない地下構造物の維持管理に対して、今回の事故でクローズアップされ報道しておりますが、下水道維持管理業は正直言って「危険(有毒ガスや酸素欠乏状態)・汚い(生活排水や工業排水)・キツイ(暑い・寒い)・厳しい(作業理解・給料等)」の典型的な4K以上の業界で人材確保は当然のように難しいです。人手不足がさらなる従業員の負担になるため愚痴を含めれば4Kどころか10Kまで届きそうです。

企業説明会で下水道管内に入って調査する仕事と話をすれば学生に『下水道に入るなんてクレイジーですね』と言われたとか、若手社員から『人間のやる仕事じゃない』なんて言われたとか、まぁ同業内で面白可笑しく話してますが(笑)

お金積まれてもやりたくない仕事を世間平均以下の給与で働く業界という印象です。

【下水道維持管理業界の将来】

それでも下水道法という法律が1958年4月24日に公布され、下水道の整備を行い、都市の健全な発達、公衆衛生の向上および公共用水域の水質保全を図ることを目的として発展してきた重要な生活インフラになりますので、この先も下水道事業の維持管理は無くてはならない仕事として残り続けると思います。

残り続けていく中で一番大きな問題は人材不足があり、民間事業者は上記のとおり人材不足が深刻で、管理者として自治体職員は配置人員の削減と人事異動による知識や経験の継承が薄いので下水道事業がおざなりになってしまう傾向が強いということです。

頭に浮かんだ事をそのまま書き並べておりますので読みにくい文章ですが、最後まで読んでいただきありがとうございました。

下水道の維持管理事業ってなんだろうという疑問の一助になれば幸いです。

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